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まぼろしのちきゅうとじんるい


 


だい うちゅうの なかに  


ちいさな わくせいひとつ


ひとは それを ちきゅう と よぶ


みずと くうきにめぐまれて 


じんるい なるものがうまれた


そのむかし ちきゅうは ほのおと 


こおり につつまれていた


ちいさな せまい たまのなかで


 じんるい たちは たがいに あらそい


ころしあい を いくせだい も つづけている


かれらは よほど ころしあうのが すきなようだ


くにだの みんぞくだの りがい だの ほこり だの


かってな りゆうをつけて あらそうのが じんるい


うまれて しぬまで たかが すうじゅうねんの いのち


そのうち きっと ちきゅうの いくたの いのちは


ちきゅうの しょうめつとともに えいえんにきえていくのだろう


 


 


 


 



   老人の群れ



しわがれた皮膚の下にのぞく
あのしたたかな強さを知る時
ふとその老人の若き日を
その涼しげな顔から思い浮かべる

若き者もやがては朽ち果てる
時の流れの残酷は誰も止められない
川の水の流れのように容赦なく襲いかかる

老人の群れの中の顔つきは
その鋭く穏やかな眼光は
その歴史の一端を語るかのように
淡々として明るく輝いている

わたしはそんな老人たちの群れを
誰よりもこよなく愛し尊敬している
                


君の死

君の死んだ日 僕の心にぽっかりと
大きな空洞が空いてしまった
僕の肉体も精神(こころ)も一切が
この地球上から消滅したのだ
それは突然だったかも知れない
あるいは予期していたのかも知れない

君と邂逅(めぐりあ)ったその時
僕は僕の人生のすべてを君の生涯にかけた
たとえ君が世紀の難病になろうと
片足になろうと醜い顔になろうと
僕は君の心を深く深く愛してしまったのだ

怠惰な一日が何年も続いた、、
すべてか風船のようにシャボン玉のように
僕は世界で一番の孤独になった
寂しくて哀しくとも僕は涙をじっと抑えた
人の前で決して弱気を見せなかった
でも独りになって毎日のように夜空を見つめ泣いた
僕は君は生きているのだと確信した
天空の流星となって君は夜空を翔けているのだと

その時、僕は生き返った 僕は生きていくのだ
再び得たこの命、人の旅路はみな独りなんだ
でもたった一度でも命をかけ恋いし愛した君がいたのだ
人生に何も後悔することはないのだ

僕は今あらたな航海に旅立つのだ。。
たった一つ信じるものがあれば
それを信じて僕の魂は永遠に生きるのだ。


白い波のうえで
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やり尽くしたあとの虚脱感
汗がひたたりため息が出る
脳の中は真白い絵の具を
塗りたくったように
何も浮かばない

ただ心地よい虚脱感が
身体と精神を支配している
いやなことも楽しい事も
みんな絹雲に乗って流れていく

快楽の余韻はこだまするように
どこまでも続いていく
祈るように願うように流れるように
ただ時は無常に流れていく

この世に男と女のいる限り
結ばれた赤い糸と糸は白いシーツの
白い波のうえで糸波はどこまでも続き
繰り返されてくのかも知れない

深夜の 戯言「合縁奇縁」

 暑き 夜なれど
 
  寝なければなるまい。

  住みにくき世なれど

  すまねばならぬ

   この世は 「合縁奇縁」 にて

    ひとの交わりは
    
    気こごろ通じ合うも  縁
  
    気ごごろ通じ合わぬも 縁

   これみな不思議な縁にて 
  
   われは 深夜 相思草を片手に煙をくゆらせ

   アイオロスに感謝し
  

  哀歌 に涙し 
  
  愛河 に身を滅ぼすことなく 

  愛楽  一途に 往きたきもののよ

  

  旅なのよ  旅には終わりが来るものなのよ


     川柳二流二句  浮雲


「 ☆ ほめ言葉 香水あれば 恋燃える・・・・・ 」

「☆ フェロモンに 魅かれて惑う 不覚かな・・〃」



詩 耳を澄ませば

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詩 耳を澄ませば

眼を閉じて 耳を澄ませば
ジーンジーンと耳の奥のほうから
遠い過去が蘇る
暑い夏の日
小川の土手に立つ大きな桜の木

ミンミン蝉が鳴いている
その木の枝の先端めがけて
昇っている一人の少年

それは紛れもない幼いときのわが姿
眼を閉じて 耳を済ませれば
小さな少年の歴史がさまざまの映像が
小さな網膜の裏側に映し出されて
走馬灯にように消えては浮かぶ
声なきを聞き 見えなきが浮かび
触れる事なき感触を肌に感ずる

永遠の映像の世界が

眼を閉じ 耳を済ませたときから
在りし日の少年の日から
無限の広がりを持ち始める

不思議な世界 孤高の遠い過去が

眼を閉じ耳を済ませたときから蘇る。

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